仕上げ磨き
親の仕上げ磨きで子供の歯を守る
お子様が歯磨きした後に、親御さんが行う仕上げ磨き。しかし、仕上げ磨きをいつから、どのように磨けばいいのかが分からない方は少なくありません。「虫歯になっても、どうせ乳歯は生え変わるし……」と思ってはいけません。実は乳歯の虫歯が、後から生えてくる永久歯に大きな影響を与えて、歯列が乱れたり変色した永久歯が生えてきたりしてしまうこともあります。
お子様の健やかな成長を守るための仕上げ磨きの基本について、詳しくご紹介いたします。
仕上げ磨きはいつからいつまで？
歯磨きの練習・仕上げ磨きは、６ヶ月～１歳くらいに始めるのがオススメです。歯が生え始めて最初の頃は間食も少なく、口内環境は唾液の力で十分に保たれますので、歯を磨くというよりは歯ブラシや歯磨きに慣れさせる意識で磨いてあげましょう。
１人で歯磨きができるようになったのなら、仕上げ磨きは止めても良いでしょう。しかし、いつまでも上手に磨けないようであれば、極端な話ですが中学生であっても仕上げ磨きをすべきです。小学校低学年くらいまでは、生え変わりの時期で歯がデコボコとして磨きにくく、また生え変わったばかりの歯は虫歯になりやすいので、仕上げ磨きをするのがオススメです。
仕上げ磨きの基本と体勢
仕上げ磨きや歯磨き習慣をつけるために、親御さんが歯を磨く際には、年齢に合わせてお子様の体勢を変えるとやりやすくなります。また、歯磨きの基本を押さえて、仕上げ磨きしましょう。
仕上げ磨きの基本
- 毛先を歯面に対して直角に当てる
歯ブラシの毛先を、歯の面、歯と歯茎の隙間、歯と歯の隙間に対して直角に当てて磨きましょう。このとき、歯ブラシの毛先は広がらない程度に当ててください。力を込めると、きれいに磨いている気になりますが、歯ブラシが広がってお子様のお口の中を傷付けてしまったり、きちんと磨けてなかったりするので、軽い力で動かすようにしましょう。 - 小刻みに動かす
１～２本ずつ磨くことを意識して、５～10mmを目安に小刻みに歯ブラシをうごかしてください。虫歯の原因であるプラーク（歯垢）は簡単に取り切れませんので、ペンを持つように軽く歯ブラシを握って丁寧に磨いていきましょう。 - 特に気を付けたい２ヵ所
上の前歯の近く、上唇の裏側には、唇と歯肉を繋いでいる上唇小帯という筋があるので、仕上げ磨きをする際は、指でそっと上唇を押さえて上唇小帯をガードしましょう。また、上下の奥歯の咬み合う面は、溝に食べかすが溜まりやすく虫歯になりやすい箇所ですので、奥から手前へと磨きましょう。奥歯側面は、口を大きく開けると歯ブラシが奥まで届かないので、小さく開くように指導してください。
年齢による体勢の違い
- ０～１歳
赤ちゃんのうちは、ミルクをあげるときと同じように抱っこして磨きます。このとき、片手に赤ちゃん用の歯ブラシを持たせると、大きくなっても歯ブラシに対する抵抗がありません。 - １歳以上
親御さんが少し膝を開いて正座し、その膝に頭を乗せて寝た姿勢で仕上げ磨きをしましょう。３歳以上のお子様で、寝た状態の仕上げ磨きするのを嫌がる場合は、椅子などに座らせて磨いてあげるといいでしょう。
仕上げ磨きの方法
虫歯予防の基礎は、毎日行うブラッシングです。毎食後に歯を磨く習慣をつけさせることで、大人になっても虫歯の少ない健康的な口内を維持できます。また、まだ１人で上手く磨けないお子様には、大人の手で仕上げ磨きをすることで、虫歯から守ってあげましょう。
１ 仕上げ磨きに適した体勢をとる
０～１歳の子は抱っこして、１歳以上は寝て、３歳以上なら座ってと、年齢別に適した体勢を取らせましょう。
２ 歯を磨く
ペンのように歯ブラシを握り、毛先が広がらない程度の力で歯を磨きます。仕上げ歯磨きの基本を押さえて磨いていきます。また、笑顔で、優しく声を掛けるなど、安心したり楽しい気分になったりできるように気を配ると、歯磨きを嫌がりにくくなるでしょう。
歯ブラシの選び方
ヘッドが小さく、毛は柔らかくフラットカットの歯ブラシがいいでしょう。ブラシの毛先が膨らんだタイプは汚れが落としにくく、切りっぱなしのタイプもお子様の柔らかい歯茎を傷付ける可能性があるので、オススメできません。また、毛が硬いタイプや、ブラシ部分が小さく毛足が長いタイプ、毛足もブラシ部分も長いタイプは、お子様が痛がるので止めておきましょう。
歯科医院でのブラッシング指導
ブラッシング指導（TBI）では、専門知識を持った歯科衛生士が、お子様の年齢に併せて歯磨きの正しい方法をお教えします。幼いうちから正しい歯磨き方法を知っておくことで、大人になってからも正しいブラッシングを続けられます。
また、当院ではお子様へのブラッシング指導だけでなく、きちんと仕上げ磨きで来ているか不安な方や、歯磨きを嫌がるお子様をお持ちの方など、親御さんへのアドバイスも行っております。仕上げ磨きの方法やお悩み、歯ブラシの選び方など、お気軽にご相談ください。