子供の歯並び
子供の歯並び基礎知識
「私の歯並びが悪いから、遺伝しないか心配」「永久歯が生えてこないけど大丈夫だろうか」と、お子様の歯並びを心配されている親御さんは多いでしょう。乳歯と永久歯の違いや、生え変わる時期、歯並びが悪くなる原因についてまとめています。
6歳前後は乳歯から永久歯へと生え変わる大切な時期です。歯並びに関する知識をしっかりと身に付けて、お子様の成長のサポートに役立てましょう。
そもそも乳歯と永久歯の違いとは?
乳歯と永久歯では、エナメル質や象牙質などの「歯の構成」や、食べ物を噛みくだく「歯の役割」はほとんど同じですが、歯の色味や大きさ、歯質、歯の数が異なります。
個人差はありますが、乳歯は白色に近く、永久歯はやや黄色味を帯びています。なぜなら、永久歯の象牙質は乳歯に比べて永久歯は約2倍厚みがあり、歯の表面を覆うエナメル質の透明感が高いからです。永久歯は乳歯に比べてエナメル質の透明度が高いので、内側の象牙質がより透けて見えるというわけです。
また、永久歯はあごの成長に合わせて乳歯よりも一回り大きく、硬い食べ物もしっかりと噛み砕くことができるようになります。歯の数も増えて20本であった乳歯は、永久歯に生え変わると28本となります。
歯の生え変わり時期
5~6歳ごろに生えてくる、初めての永久歯のことを6歳臼歯といいます。乳歯が生えそろったあと、奥歯の奥から生えてきます。この6歳臼歯を皮切りに、6歳頃から12歳頃にかけて乳歯から永久歯に生え変わります。
6歳臼歯から生え始めた永久歯は、次に前歯へ、それから順に奥歯に向かって生え変わっていき、12歳頃までには、すべての歯が永久歯になります。親知らずまでの全ての永久歯が生えそろうと、歯の本数は32本となります。
歯の生え変わりの時期や順番は、お子さまの成長スピードによるため一概には言えません。1〜2年の誤差であるなら問題ありませんが、もし心配であるなら歯医者さんで診察を受けてみましょう。レントゲン撮影を行えば、乳歯の根元に控えている永久歯の状態を確認できます。
歯並びが悪くなる要因
歯並びが悪くなる原因には、遺伝や成長過程によるものや、指しゃぶりなどの日常の癖によって起こるものがあります。いずれにしろ、「うちの子の歯並びが心配」「歯並びで苦労させたくない」と感じている親御さんは、歯科医師に相談することをおすすめします。矯正治療の必要があるか否かも含めて歯医者さんが教えてくれるはずです。
遺伝的な要因
お子さまの歯並びはパパやママの遺伝的な影響を受けます。受け口や歯並びがガタガタしている叢生(そうせい)という状態、出っ歯などがその一例です。また、はっきりとした原因は分かっていませんが、歯があごの中で育つ成長過程において余分な歯が骨の中にできる「過剰歯」や、歯の芽が育たたないことで永久歯が足りなくなる「先天性欠如」などの影響で、歯列・咬合不正が起きることもあります。
お子様の癖
指しゃぶりや口呼吸、頬づえ、舌癖などの習慣や悪癖によって、歯列不正が引き起こされる場合もあります。お子様にこのような癖がないか、よく観察してみてください。もし何かしらの癖を持っている場合は、歯並びに影響が出る前に改善しなければなりません。
不正咬合の種類をご紹介します
歯並びの悩みは見た目だけではなく、咬み合わせや虫歯の発生率にも関わる重要な問題です。代表的な不正咬合の例をご紹介します。
- 上顎前突
いわゆる「出っ歯」と呼ばれる状態です。上あごの骨が大きく成長した、または下あごの成長不足により引き起こされ、上の前歯が前方に突出した状態です。 - 下顎前突
いわゆる「受け口」「しゃくれ」と呼ばれる状態です。下の前歯が上の前歯よりも後ろにある状態。遺伝的な要因が大きいと言われています。 - 叢生
歯が重なって生えており、ガタガタした状態です。顎が小さいことで起こります。 - 開口
奥歯は噛み合わさっているのに前歯が閉じない状態で、「オープンバイト」とも呼ばれます。 - 過蓋咬合
上の歯が下の歯に深く覆い被さっている状態です。
矯正治療のタイミング
最近は、虫歯よりもお子様の歯列矯正について、医師に相談する親御さんが増えてきています。特に、歯並びの問題でご苦労された方や、矯正治療のご経験がある親御さんは「うちの子の歯大丈夫かしら」と心配されている方も多いのではないでしょうか。中には、矯正治療をご検討中の親御さんもいらっしゃることでしょう。
そこで気になるのは矯正治療のタイミングです。子どもの歯列矯正は2期に分けられ、1期目は骨格矯正を主体とするため3~12歳くらいまでに行い、2期目は10歳前後から主に歯列を矯正します。お子様の矯正は、骨格からなのか歯列からなのかを判別するためにも、まずはかかりつけの歯科医院へご相談ください。